【ロストボーイseason1】タイ,バンコク編
イケメン白人の口元から放たれる轟音が子守唄の夜が明けました。
夜中に何人か部屋から出ていったきり帰ってきませんでしたが、きっと音楽性の違いによるものでしょう。
彼のいびきは顔面同様、ワールドクラスのイケビキ(イケてるイビキ)でした。
さて、3日目。気持ちのいい朝です。
『海外3日いたら普通に英語耳になるよ?』と海外によく行く知人から聞いていたので、どんなもんだとフロントでチェックアウトの手続きをしてみましたが、なるほど。ちゃんと呪文です。
雰囲気でチェックアウトを済ませ朝ごはんを食べに行きます。
見つけたいい感じのお店。
写真を指差し
でぃす!
海外での注文も慣れたものです。
登場した食事。もちろん指差したものとは違う料理が出てきました。うん。
バックパックを背負ったまま観光すると肩を失うことになると学習した僕は、午前中のうちに今夜泊まるゲストハウスに荷物を置きに行くことに。
海外には【日本人宿】なる、せっかく海外に来たにも関わらず、日本人が揃いも揃って雁首並べて、昼はみんなで観光、夜はみんなでパーティーをしているというなんともけしからんゲストハウスがあるそうです。
そんな楽しs,,,けしからん場所があるだなんて。
やはりせっかく、せっっかく海外に来たのであれば、文化も言葉も違う外国人が多く集う場所に出向いてこそ旅の醍醐味というものでしょう。みなさんもそう思いませんか?
よし。今夜は日本人宿に泊まることとしましょう。
(べ、別に楽しそうとかそんなこと思ってなんかないんだからねっ!!
ネットで色々と調べてみると、バンコクにある人気日本人宿【ロングラックゲストハウス】では安全志向のけしからん日本人たちが徒党を組んで夜な夜なパーティーを繰り広げているそうです。
若い旅人に大人気で、『バンコクで日本人に会いたかったらここ!』と言われているとか言われていないとか。
取締りが必要です。
LINE@でアポをとり早速突撃。
門をくぐりこんにちわ〜と挨拶をするとお話に花が咲いていたゲストらしき複数名の会話がピタッと止みました。
流れ出す謎の空気。灼熱のバンコクに響き渡る鳥のさえずり。
チュンチュン
僕のツラ構えが気に食わなかったのでしょうか。
わぁ!よくきたねぇ!こっちでビールのもぉ!!
わぁ〜い!
日本人宿サイコゥッッ!!!
、、、、、、
、、、はっ!!
なんだただの白昼夢かっ、、、
想像(願い)と現実のギャップがグランドキャニオン級なのは、タンクトップ丸出し刺青のせいでしょうか。
かけつけてきたスタッフもなんだかよそよそしかったのはそういうスタイルなのでしょう。
そう思っておきましょう。
僕のハートはギザギザハートの敏感肌なのです。
少しばかりやさぐれた僕は荷物を荷物置きスペースにぶちまけ、目についたラックにあった紙切れを奪取し、着の身着のままゲストハウスを飛び出しました。
いいもん!一人でできるもん!
やさぐれプリプリ丸で歩いているとポケットに先程の紙切れを無造作に突っ込んでいたことを思い出します。
日本語が書いてあったのでとっさに手にした紙切れでしたが、近隣の地図とバス停、ご丁寧に観光情報まで日本語で書かれています。
これ幸いと今日行こうと思っていた【スネークファーム】への手がかりを探します。
スネークファームとは読んで字の如く蛇牧場なわけですが、ぼくもバンコクくんだりまでわざわざやって来てただ蛇を見に行くわけではありません。
このスネークファームは、狂犬病だったり肝炎だったりの様々なヤバい病気の予防注射が日本よりも格安で摂取できるということで、これから世界を旅しようという旅人たちがこぞって立ち寄りワクチンをぶち込んでいくいわば病院みたいなところです。
ふ〜ん。で、それで蛇と予防注射になんの関係が?と思っていることでしょう。
察しの良い方はもうお気づきかもしれませんが、蛇の毒からできる血清を作るのに様々な研究が行われており、その過程でついでだし色々な病気のワクチンも作っちゃいました☆的な感じらしいです。たぶんそんな感じ。
そんな蛇牧場でバカでかい錦蛇を首に巻きに行きます。それが目的です。ワクチンは打ちません。はい。
なんやかんやとバス停にたどり着き
やって来たそれらしきバスに乗り込みます。
〜40分後〜
着きました。
正式には【サオワパー女王記念研究所(Queen Saovabha Memorial Institut)】という名前でした。赤十字系の病院(研究所)らしいです。
本館の横の施設で蛇をいっぱい飼ってるっぽい。
フェスか?
ずんずん進んでいくと。
いました。ヤツ達です。
毎日定時(平日am11:00 & pm14:30、土日祝pm14:30)にキングコブラと職員の殺し合い(想像)が開催されているのらしいですが、着いたときには午前中の殺し合いが終わっていたので近所の有名なシーロム地区をお散歩します。
ここいら辺は日本人街のタニヤ通りが有名ですね。
タニヤ通りと言えば、東南アジアでも最大級の日本人向け歓楽街としてその名を馳せており、日本食レストランや居酒屋はもちろんのこと、うらやまけしからんいかがわしいお店が数多く点在しています。
日本語の看板があちこちで目に付きます。きっと日本人観光客やビジネスパーソンから金をギッチリ絞りとる場所なのでしょう。
ふらふらしていると吉野家が。テンションブッチギリのペチンペチンです。
わーい!
さすが世界の吉野家!すっき!
よっしのや♪
よっしのや♪
よっしのy,,,♪
よっs,,,
GYUNOYA!!!!!
吉野家じゃねぇ!!!!!!
そこにあったのは吉野家ならぬ牛野家。気合の入ったパロディです。
まぁ,,,いっか,,,
牛丼だし大して変わらんだろう。
果たしてタイ牛丼のクオリティはいかがなものなのでしょうか?
そんなことより料金はいくらなのでしょうか?
店先のメニューの看板を眺めます。
え〜っと。
牛丼並が170バーツで豚丼110バーツか。
え〜っと日本円だとバーツの3.5倍だから,,,
,,,600円っ!!!!
※拾い画
たけぇ!!!
まさかの日本より高くて震えました。
170バーツを牛丼1杯に払う余裕なんぞもちろんないので牛野家を泣く泣くあとにし、安いローカルフードを探しに現地人がたむろしていそうな路地へ突入して行きます。
後に調べてみたところ吉野家よりおいしいとの噂で、経営上の関係性は皆無とのことでした。気合入ってる。
ランチタイムを楽しむ者たち。
謎の食べ物たち。レベルたけぇ。
肝心の実際食べたものは撮らないスタイル。食べたものは,,,忘れました。
忘却の彼方へ飛んでいったタイランチをたいらげ、再度ふらふらしていると突然のスコール。
東南アジアらしいスコールの名に恥じない突然さ&プールをひっくり返したような雨。ちょっと感動。
雨上がり、水たまりがあちこちに姿を現した街をペチペチ歩いていると
オニサンカワイイカワイイ
知らないおじさんに突然褒められました。
え?オレ?うん?ありがと?
褒められて気分は悪くはありませんが、確かな悪意だけは感じ取れます。
僕は水たまりを見る。そしてこう考える。
(あぁ,,,客引きだぁ,,,)
手元から次々と飛び出す女の子(写真)たち。
オニサンカワイイカワイイ
わかったわかった、
俺がかわいいのはわかったから。
女を買わせたいのか俺を口説いてるのかハッキリしてくれ。
オニサンサキッチョダケチョットダケ
なんのサキッチョだかは不明ですが、とりあえず危なそうなのはわかったので親父のラブコールを振り切り、近くにあったウッドデッキ付きのバー的なところへエスケープします。
ふぅ,,,
俺にサキッチョダケを求めるなよ,,,
ビールと共に一服かましていると刺さるような視線を感じました。
まさかと思い視線の元をたどると,,,
サキッチョ親父です。
路地のあいだから見てます。
すごく見てます。ほとばしる悪意を感じます。
口元にほのかな笑みを浮かべているあたりサキッチョダケを諦めてはいないようです。
静かにウェイターを呼び会計を済ませ、そっとその場をあとに。
大都会バンコクの喧騒が心臓の鼓動を後押しします。
気づかれぬよう足早に店から離れ、数十メートル離れたところで振り返るとまだ見てました。
駆け足でさらに離れうしろを振り返ると道路の真ん中に立ち尽くしたヤツがまだ見ていました。
(サキッチョダケェ!!!!)
ひっ
一目散に逃げ出しスネークファームへ帰還。
蛇と職員の殺し合いを眺める前に、僕が一方的に捕食されるところでした。
守り抜いた貞操を大事に抱え、スネークファームで始まるは、お待ちかねの命を賭した死闘もといデュエル。
麻袋から放たれた蛇を芝目を読むような冷静な目で眺める職員。
ガチガチのキングコブラ。
気になる蛇と職員のデュエルの結末は、蛇のリアルコブラツイストTKO勝ち,職員の緊急搬送で幕を閉じました。病院がすぐとなりでよかったですね。
そしてニシキヘビと記念撮影。確かなマジ顔です。
約20年前にTVでやっていた【世界超密着TV!ワレワレハ地球人ダ!!】のスネークハンターシリーズで、クルーたちが夜の泥川で大型種の巨大アナコンダに遭遇し、木伏Dが捕獲しようとした際に巻き付かれ「出ちゃう出ちゃうよ、内臓出ちゃうよ〜」と言う名言を残したわけですが、その気持ちがなんとなくわかったような気がします。
蛇たちにお別れを告げ再度街へ。
なにかしらの記念公園にたどり着きます。
色々とツッコミたい気持ちがほとばしっておりますが、タイ関係者に怒られそうなのでやめておきます。
のほほん。
しばらく公園でののほほんタイムを楽しみましたが、野生の巨大アナコンダに遭遇するでもなく平凡すぎる時が流れ行くばかりの午後に飽きてきました。
いや知らない親父に見つめられるより平凡なほうがもちろんいいわけですが、とりあえず宿に戻ることとしましょう。
かばんに入れておいた例の紙切れを眺めてみましたが、もちろん帰り道のヒントは書かれていません。
調べるか,,,
しばらくIphoneとにらめっこをします。
するとバンコクのバス運行情報が地図上で簡単に調べられるらしいなんとも素敵なアプリを発見しました。
早速アプリを起動し操作してみると、なんと地図上をバスがひた走っているではありませんか。
どうやらリアルタイムで走っているバスのGPSと連動しているご様子。
それとなくゲストハウス方向に向かう感じのバスが最寄りのバス停に近づいているっぽいので急いで向かいます。
何だタイもインフラちゃんとしてんじゃん
嬉しい肩透かしでホッとしますが、iPhoneの充電が残り10%を切っています。
撮影やら調べ物で何かといじくっていたせいでしょう。
モバイルバッテリーは宿に置いてきてしまいました。
少し心許ないですが、まぁ、何とかなるでしょう。
降りるべきバス停の番号を頭に叩き込みやってきたバスに乗り込みます。
帰ったら酒のも
〜1時間後〜
橙色に染まった空。走り去るバス。喧騒の街並み。
立ちすくむ僕。
ここ,,,どこ,,,,,,
〜5分前〜
うたた寝しているあいだに頼みの綱のiphoneが見事に臨終し、ついでに降りるべきバス停もしっかりロストメモリーしました。
焦った僕は寝ぼけついでに停車したバス停で降りてしまいます。
俺の脳内メモリは鶏サイズかよ。
そんなことを悠長に言っている場合では無い様です。
西日に照らされ走り去ったバスを眺めながら立ち尽くす僕。
え〜っと、これはつまり〜,,,
遭難だぁ,,,
東南アジアはタイ,バンコクの地で遭難開始のゴングが鳴り響きました。
リアルロストボーイシーズン1。
傾き続ける太陽とともにスタートである。
と言ってもどうすればいいかは全くわかりません。英語しゃべれないし。
甘く美味しそうな匂いが漂ってきたので、ひとまず目の前の屋台にいざなわれます。
タイ風バナナクレープといったところでしょうか。
※参考画像
これ食わずして遭難できるかってもんです。
お味は,,,バナナクレープです。
ふぅ、バナナ最高。さてと。
太陽にむかって歩くか。
ここがバンコクの北側に位置しているものだと仮定するのであれば、カオサン通りは間違いなく太陽の方向。
GO!!!
どこで培ったか謎のサバイバル力が発揮され、無事に宿に到着!!
の、はずでした。
〜1時間後〜
み、水、、、
バンコクの地をで彷徨い続けること一時間。
もはやここがバンコク市内であることすら疑わしく感じてきました。
ピースの揃っていないジグソーパズルを延々と解かされている。もはやそんな気持ちです。
いつだか読んだサバイバル本に『山で遭難したら川を探せ!』なんて書いてあったもんだから素直に従ったらこのザマです。確かに宿の近くには川が流れていたはず。クソが。
周りを見渡せばしっかりと日も暮れ始め、東の空は徐々に闇に侵食されていっています。
このままだと今度こそバンコクのダークサイドに引きずり込まれてしまう、、、
この一時間散々一人で足掻きましたが、自分だけの力だけではどうにもならないことをようやく受け入れます。
恥も外聞も言語の壁もぶち壊し手当たり次第に近くのタイ人に声をかけていくことに。
へい!
あいあむろすとぼーい!
でぃすいず超ヤバイ!
HA?
冷静に考えて、脳ミソ焼き切れたヤバイやつの単なる自己紹介です。
もぉ〜!
だぁかぁらぁ!
でぃすいず最高にちょうど良いやばさ!
HA~???
言うてる場合じゃない!
う〜ん、あっ!
りばー!あいごーとぅーりばー!
River? River is over there.
道路の向こう側を指差す村人。指先を追う僕。
りばー?
Yes.It's River.
ガッ
交わされる熱い抱擁。人種を越え芽生える美しき友情。
世界は愛でできている。
ありがとぉー!!!
〜15分後〜
クソが!!!
村人Aが指差した方角に川は無く、待っていたのは切ない気持ちのゴミ捨て場。
全てを諦め、先ほどの村人Aを助走つけてぶん殴りに行こうか考えましたが、日本にいるおばぁちゃんの顔が浮かびます。
よぉ〜へ〜やっちゃいなぁ〜
どうやらイメージの中では祖母お墨付きの様ですが、大好きなおばぁちゃんの顔が2度と拝めなくなりそうなのでやめておきます。
切ない気持ちのゴミ捨て場に切ない気持ちをぶん投げ、トボトボと歩きながら『お寺があったら出家しよう,,,』と考えているとセブンイレブンが見えてきました。
セブンイレブンか,,,
最後の晩餐は崎陽軒のしゅうまい弁当がよかったな,,,
お腹減ったなぁ,,,良いなぁ,,,弁当良いなぁ,,,
,,,ん?んぉ!?ちょっと待て!
ああ!このセブンイレブン見たことあるぞ!!
周りの景色をよく見てみると、昨晩夜食にと弁当を買ったセブンイレブン周辺ではありませんか。
あいむラッキーボーイ!!
と、言うことはこの近くに川が流れているはず,,,
あった。
りばあああああぁぁぁぁ!!!
川がありました。間違いなく昨晩歩いた川沿いの道です。
漂流先の無人島でセスナ機が飛んでいるのを見つけた遭難者が如く狂喜乱舞し川沿いを駆けていきます。
駆け抜けた先には日本人宿【ロングラックゲストハウス】の看板が。
生きのび,,,た,,,
満身創痍の体を引きずり引きずり宿の玄関を開けると、大自然の脅威との戦いに勝利した奇跡の生還者である僕を宿のみんなが大歓声でお迎え!!
るはずもなく、待ち受ける静寂。
それはそれは粛々としたお出迎えでした。
ここにオレの冒険譚に興味があるやつはいないのか。
とにも角にも腹が減ったのでご飯を求め外へ。
もう遭難はしない!!!はず。
宿の近くで見つけたTHE食堂で歓喜の食事。
無心でガッツきます。
救助された遭難者が最初の食事を食べるときのイメージで食べたらとてもおいしかったです。
実際遭難してましたし。ええ。
隣のタイ人がなぜか笑っていました。笑ってんじゃねぇ。
何よりも嬉しい食事を平げ宿へ帰還。
相変わらず僕に声をかけてくる者は一人もいません。こいつら言葉失ったんか。
そして部屋へ。
今日明日はドミトリー(共同部屋)があいていないらしく2階の一人部屋(350バーツ=約1200円)に通されます。ちと高いがしょうがない。まくらの押し売り始めよう。
与えられたダブルベッドの最高級スウィートルームで荷物をぶちまけているとお外の中庭からウフフアハハと楽しそうな声が聞こえてきます。
およ?
窓から中庭の様子をそっと覗いてみると、先ほどまで静かだった中庭で7,8人の若者たちが並べられた石の巨大テーブルを囲み、大いに盛り上がっています。
これは、、、
以下妄想
よーし!みんな飲むぞぉー!
イェーイ!
あ!見て!新しい旅人が来たよ!
あのぉ,,,
よく来たねぇ!!
ここ座りなぁ!!
ビールもあるよぉ!!
うわーい!!
日本人宿サイコゥッ!!
朝が来るまで終わることのないダンスパーティーの予感です。
よし。僕も参戦して大いに場を盛り上げてやろう。
元キャバクラ店長の底力でバンコクの夜に笑いの大輪を咲かせて差し上げよう。
デュフフ
今朝から受けてきた塩対応を都合よく忘れ、早速タバコとエンターテイナー精神を胸に中庭に突入します。
これでそれとなくテーブルを囲んだ石づくりの長椅子に座れば
わー!!
新しい仲間が来たぞー!!
イケメーンキャーキャー
ふぅ〜!!!!
となるはず。よし、着席だ。
(ガヤガヤワイワイ,,,)
よっこらせっと
(ピタ,,,,,)
(ワイワイガヤガヤ,,,)
ん???
昼間の白昼夢の続きでしょうか。みんなぼくのこと見て一瞬止まったよね。
ひとまずタバコに火をつけ、盛り上がっている御一行が僕になにかしらの合図を送って仲間に入れてくれることを期待しタバコをフカし続けますが、一向にお声がかかることはありませんでした。
冷静を装いながら聞き耳を立てていると、アジアの国境事情について得意げに知識をひけらかす
僕,,,旅,,,してますから,,,ドヤァ!!!
的な学生風の男の子(僕旅してます系男子,通称僕旅系男子。この系統の男子に遭遇すると旅の先輩ヅラをして、聞いてもいない情報を一生話し出す)が場をグルングルンと回しています。
君は旅に出て何日目〜?
えっと僕は5日目です
1週間かぁ!
まだまだ始まったばっかじゃん!
旅はいいよ〜!
ちなみにカンボジアの国境を超えるときはうんぬんかんぬん
僕より後に来た陰キャ風な男の子に轟々と先輩風を吹かせています。
ぼくには???
どうやら水商売系刺青男子は、ここには存在していないことになっているようです。
もちろん訳のわからないガキンチョに先輩風吹かされたら、それこそ風速50mの風をお見舞いしてやる訳ですが。
そして20分続いたタイムレスチェーンスモークも虚しく、とうとう僕にお声がかかることはありませんでした。
今宵過ごす夜は、日本人との楽しい夜異国編。
ではなく、やさぐれハブられナイト。
グスン
哀愁漂う重い足取りでスゴスゴと自室に引き返します。
前世の業(カルマ)の影響でしょうか。前世でいじめっ子だったか。クソが。
2階の自室にまで中庭で盛り上がる楽しそうな声が聞こえてきます。
むしろ先程より一段と盛り上がっているようです。クソが。
電気を消し、疲れた体をベッドに横たえそっと目を閉じます。
あとはひたすら無限の思考の海を泳いで、現実をシャットダウンするだけです。
NIKEの靴箱の中でジッと息を潜めて生きていきたい。
日本人なんか嫌いだ!!!
小さな島国を飛び出し、開放感と下心の相関関係を酒を通じて探究するキラキラな若者たちの宴。
一人枕を濡らす28才独身。
オレにも探究させろや。
社会不適合者の鎮魂歌を子守唄に、悲しみのハブられナイトは更けてゆくのでした。
次回【アユタヤの呪い】タイ,アユタヤ編。
ほいじゃ(`・ω・´)