【海の向こうは魔窟でした】タイ,バンコク編
空の旅は7時間半にも及びました。
そうして到着。到着のアナウンスで起床。
黒人にサンドイッチされての起床だったので”夢か現実か” ”タイかアフリカか”を把握するのに少々時間がかかりましたが、どうやら無事にバンコクに着いたようです。
腰椎はもれなく姿を消しているようです。
『リアルサファリ。首刈り族編。』
初日のブログタイトルが世界の理(ことわり)を教えてくれそうなものにならずに済み、心から神に感謝しています。
さて、失われた腰椎の捜索願受付カウンターはどこでしょうか?
早速探しに参りましょう。
🔸1カ国目,タイ🔸
タイ王国(タイおうこく)
首都:バンコク都
通貨:バーツ
人口:6,891万人(2017年)
タイは何と言っても微笑みの国。
どれだけの微笑みが僕を待ち受けているのでしょう。
タイのマクドナルドはスマイルいくらで販売なさっているのでしょうか?。
まずは入国審査です。
これから何度も通過するであろうイミグレーションです。早めに慣れておくのがベターというもの。
イミグレーションに到着すると、現地の入国審査官が満面の仏頂面で出迎えてくれました。
この国の微笑みは、僕が思う微笑みの概念とは少し違うのでしょうか。
違うことを願うばかりです。
そして始まる入国審査。
緊張の面持ち。
元気よくいきましょう。
Hello!!
【審査官】Hi.What's the purpose of your visit?(何しにきた?)
え〜っと、、、トラベル!!!!
HA?
あ?
HA??
木霊でしょうか?
いいえ。誰でも。
終始返答の合間を突いて放たれるこの『HA?』
腹立たしい。実に腹立たしい。
タイ入国5分ですが、現状アジア1腹立つ顔。
微笑みから最も遠い顔です。
日本の皆様とこの感情をシェアしようと、アジアイチ腹立つ顔を写真に収めてやろうと試みましたが割と本気トーンの『No!!!!』を頂戴したので怖気付いてやめました。
そして無事通過。フゥ。冷や汗で平熱が2度下がりました。
通過後はバゲージクレームなる手荷物ターンテーブルで相棒のバックパックを回収し、タイの野に放たれます。
よーし、いくぞー
、、、、、、
、、、野に放たれたは良いものの何から手をつければ良いのか全くわかりません。
過ぎ行く旅行者を眺めながら立ち尽くします。
、、、、、
帰りたい,,,
、、、、、
\ __ /
_ (m) _ ピコーン
|ミ|
/ `´ \
( ゚∀゚)
ノヽノ |
< <
そうだ。
まずはあれだ。金だ。金をおろそう。
何をするにも先立つ物はお金。ひとまずATMでお金をおろしましょう。
持ってきた日本円を換金所で両替する手もありますが、空港の換金所は換金率が低いとネットに書いてありました。
余計なお金を払うのはシンプルに癪なので、日本から持参していた【CASH PASSPORT】なる海外用キャッシュカードを使ってお金をゲットしにいきます。
そう。これさえあれば、口座にブチ込んでおいた日本円を国をまたいでも現地ATMで現地のお金として引き出すことができる。バックパッカーの強い味方である。
、、、と説明書に書いてありました。
真偽のほどは定かではありません。
ひとまず空港内でATMを探します。
早々に発見。キャッシュカードをブチ込みます。
吸い込まれゆくキャッシュカード。
初めての試み。高まる心拍数。まばたくつぶらな瞳。
そして画面に浮かび上がる見慣れぬ文字列。
HA?
こちとら飛行機に英単語集置いてきてるんだ。
古代文字を学びにきてるんじゃねーんだ。
ひとまず右下の【 EXCHANGE LANGUAGE】という、恐らく『言語を変えちゃうぞ☆』と思われるであろうボタンをそっと押してみます。
ピコン
日本語に変わりました。
ほっ。
見覚えのある文字を前に、なんとなく操作を続けていきます。
え〜っと,,,これでよし,,,と,,,
ピコン
【ATM】おろせません
HA?
ふぅ〜,,,よし。壊そう
大丈夫。僕はやればできる子っておばぁちゃんが言ってた。
画面に向けて繰り出されそうになる怒りの鉄拳を制し、もう一度イチから操作をやり直します。
おろせません
クソがっ!!!
バァンっ!!!
以降何度トライしても同じ返答を繰り返すATM。
拝啓、おばぁちゃん。どうやら僕はやってもできない子みたいです。
役立たずのこの機械を土に還す準備に取り掛かろうとしているところに警備員がやってきて『何をしているんだ』と怪しまれるまでATMとの無益なやり取りは続きました。
どうなっとんじゃっ!!!
初めての海外一人旅。
誰もが通る、【現地通貨をゲットする】という始まりの通過儀礼。
やはり簡単には行かぬ、、、か、、、
ま、いいでしょう。
、、、よくねぇ、、、
純度の高い殺意が芽生えましたが、他にも現地通貨をゲットする手立てはあります。
不本意ではありますが、持参した日本円を換金所でタイの通貨であるバーツに換金することにしましょう。
そして両替所にてゲットしたバーツ。
ボッタクられている感がぬぐいきれません。
日本人ちょろいから仕事が楽だわ〜
奴らの目がそう言っています。
笑ってんじゃねぇクソが。
なにわともあれお金をゲットしたことで本格的にお散歩を開始する準備が整いました。
いつまでも空港にいても仕方がないので市街地に参りましょう。
タイでのネット環境を有効化させるためにSIMカードを購入し、持ってきたwi-fiルーターにぶち込みます。
※海外行ったらこれ必須。SIMフリーのスマホ or wi-fiルーターにぶち込むだけ。海外行くたびに某貸出wi-fiルーター業者に数千円払ってる方、どこの国でも数百円〜2000円くらいで買えるのでお試しあれ。
目指すは世界中のバックパッカーが集うという、かの有名なカオサン通り。
記念すべき初夜の宿もそこにとっています。
空港の外に出てカオサン通りに向かうバスを探します。
そこで待っていたのは聞きなれぬ呪文。
四方から繰り出される無数の手招き。
ミストサウナと間違わんばかりの高温多湿。
待ち受けていたシンプルな恐怖体験。
いぃやああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
異国の地にはびこる悪意の隙間を宮城リョータばりの華麗な身のこなしでかいくぐり、なんとかカオサン通り行きのバス(おそらく)に乗り込むことに成功します。
バスの乗車料金回収係もちゃんと何を言っているかわかりません。
『かおさん!かおさん!』と連呼しながら、偉そうなおっさんが書かれた100バーツ紙幣をひらひら。
すると”奪う”という言葉がぴったりの手捌きで僕の100バーツを奪って行きました。そして渡される乗車券と思しき紙。そして去っていく回収係。
おつり、、、
バス乗り場にデカデカと”50"って数字書いてあったけど、あれって絶対"乗車料50バーツ"って意味だよね、、、
おつり返して、、、
旅人レベル1の僕に容赦無く襲い掛かるタイ。
なんてところに来ちまったんだ、、、
頭を抱えひとしきり後悔の念に駆られます。
ただそれと同時に、バスのガラス越しを流れ行く異国の景色に日本ではないどこかにいる一人でいる高揚感を感じずにはいられません。
オレ、辛いの食べれないだよなぁ、、、
辛い料理が目白押しのタイ王国の食事情に恐怖し、じんわりとうすら汗をかく僕を乗せ、バスはカオサン通りを目指し(おそらく)東南アジアの焼けたコンクリートの上を駆けていきます。
〜数十分後〜
なんとなくそれらしき場所に着きました。
健康な小学2年生ほどの重さを有したバッグパックを抱えバスを降り、旅先の空気を胸いっぱいに吸い込みます。
くさっ。
iphone内蔵のマップで現在地を調べてみると、どうやらカオサン通りはもう少し足を伸ばしたところにあるようです。
『普通にカオサン通りの目の前で降ろせやクソが』とチラリと思いましたが、融通はききません。というか全ての言葉が聞き取れません。
放たれた異国の地をそれとなく歩いていると、見慣れぬ乗り物に乗った見るからに良心を欠いたツラをしたジジイが声をかけてきました。
ネットで散々目にした噂のトゥクトゥク※です。
※日本一周編(沖縄)の一コマです。
トゥクトゥク ;タイにおけるタクシーの一種である。
地域によっては乗り合いのタクシーの趣きもある。
東南アジアでの移動手段は多々ございますが短距離の移動とあらば、このトゥクトゥクなる乗り物を使って移動するのが基本となるそうな。
以後、幾度となくお世話になることになります。
初めてのトゥクトゥク使いとの遭遇とあってこちとら心臓バックバク。
H~i.Where you going?
え?うぇ?うぇあ?え?
HA?
日本語話せよ,,,
さらに追い討ちをかけるように発せられる謎の言語。もとい呪文。
何を話しているのかはさっぱり理解できませんが、ジジイの良心を欠いた両の瞳が物語っています。
金をよこせJAP
そう。こいつらにとって私たち日本人とは平和ボケしたカモそのもの。
カモがネギ背負って鍋持って、これまたご丁寧に調味料の類までカバンにパンパンに詰め込んで歩いてきたのと同等の存在なのです(妄想)
私たちが東南アジアに出向くということは、つまりそういうことなのです(妄想)
今夜ジジイが目を付けたのは、世界を知らない日本産バカ一名でございます。
ドキドキしながらそれとなく伝えてみます。
え〜、あいうぉんとぅーごーカオサン
Ok !! come on !!
あー、うん。ここに乗れば良いのかな?
どうやらカオサン通りまで運んでくれるみたいなのでいそいそと後部座席に乗り込もうとします。
イソイソ,,,
( ゚д゚)ハッ!
そういえば値段聞いてないや,,,
【トゥクトゥクやタクシーに乗る際には、必ず乗車前に料金の確認と交渉を済ませておくこと。日本のタクシーと違いメーター式が少ないため、交渉せずに乗ると相場の数倍の料金を請求されます。相場がわからない際は、言われた金額の半額くらいからスタート。交渉のポイントは、曖昧にせずはっきりと決めること。あとで揉めます。】
以前ネットを見ていた時にこんなことが書いてあったような気がします。ふぅ、危ない危ない。危うく調理開始されるところだったぜ。
ねぇねぇ。はうまっち?
HA ? 200THB(約700円)
200バーツ?えーっと、レートは確か1バーツ3.5円だから,,,700円か,,,
700円っ!!!
相場がどんなもんだかはわかりませんがこれは明らかに吹っかけられている様子。
東京の初乗りより高ぇ。
ここはネットで見聞きした浅い知識をもとに半額から交渉を初めて様子を見ることにします。
おいジジイ。日本人をナメるなよ。ここは半額の100バーツだ。ドヤァ
OKOK.100THB.OK
あとで知ったことですが、タイのトゥクトゥクの相場料金は以下の通りらしいです。
徒歩で10分位の距離 - 約30~40バーツ
徒歩で20分位の距離 - 約40~50バーツ
徒歩で30分位の距離 - 約50~70バーツ
それ以上の距離 - 約70バーツ以上
見事にぼったくられていることとはつゆ知らず、初交渉で半額まで値切ることに成功したぜと得意げなアホヅラで颯爽と初トゥクトゥクに乗り込みます。
まさにカモ。
クソが。
向かう先は今度こそカオサン通り(おそらく)
よぉし!行けい!
ネギを背負いしカモを乗せ、トゥクトゥクは走り出しました。
〜数分後〜
早速着きました。別にめっちゃ近かった。
ジジイに金を払って礼を言い降車(ぼったくられてる)
いやぁ日本人相手は仕事が楽でいいわぁ
ジジイが別れ際に放った謎の一言は、きっとこんな意味だったのでしょう。
笑ってんじゃねぇクソが。
それにしても高温多湿なタイの地を風切り走るのは気持ちのいいものです(ぼったくられてるけど)
タイにお越しの際はぜひトゥクトゥクに乗ってぼったくられてみてください。
おなじみの通過儀礼を経てやっと辿り着いたタイ最大の都市バンコク中心部。タイと言ったらここは外せない、言わずと知れたド定番観光スポットカオサン通り。
見渡す限り人人人。ひしめき合う大量のネオンに彩られた店店店。
白人黒人アジア人様々な人種が入り乱れ活気付く街並み。
画面越しでしか見たことがなかった世界が目の前に広がっていることに感動。
感動もつかの間、カバンが重すぎて肩が取れていることに気づきます。
なで肩の向こう側に行く前にカバンを下ろさないと、、、
ひとまずiphoneの地図を頼りに予約していたゲストハウスを目指します。
なで肩までのカウントダウンが始まった頃にたどり着いた建物。
写真は、ない。
なぜか食事もしていない隣のレストランの写真を撮る無能。
初のゲストハウスチェックインは予約画面をチラつかせ無事通過。
『OK? OK?』と何か大切なことを確認されたような気がしましたが、僕にできることと言えば『OK! OK!』と感情を失った赤べこのように頷くだけ。
通された部屋はベッドが置いてあるだけの独居房。
お情け程度に置かれた小さなランプ。しかも白。まさにTHE安宿と言った感じ。
月明かりが眩しいぜ。
与えられた独居房で相棒を降ろし、ちょいと一息。
なで肩でお楽しみの夜の街に繰り出します。
と、その前に汗を流しにシャワールームへ。
東南アジアの風呂事情をチェックしに行きましょう。
あいうぉんとしゃわー!あいうぉんとすっきぃり!
部屋を出たところにいたスタッフに『僕は今すぐシャワーを浴びてスッキリしたいんだ』という旨を英語で伝えると『OK ! OK !』と連れて行かれた先はトイレ。個室がたくさん並んだトイレ。この感じは間違いなくトイレ。
日本人はウォシュレットで充分だろってか?と、案内してくれたスタッフのほうを振り返るとすでに彼女の姿はそこになく、異国の便所前で一人佇む日本人の構図が出来上がりました。
仕方ねぇ、、、とりあえず、、、浴びるか、、、
渋々ドアを開けると、やっぱり便器。
ほらな。となで肩を落とし上の方に目をやるとそこにはシャワーヘッド。
ふむ。ユニットバスをギュッ!!としたタイプね。
見ようによっちゃウォシュレット。
設置されてる場所的にもウォシュレット。
得られる効果もウォシュレット。
すべてを受け入れ、便所シャワー、もとい上から降ってくるウォシュレットで身体を洗い流します。
きれいになった便器を横目に、悲しみの表情で体を拭きあげます。
排水口に幾らかの尊厳を流し込む作業を終えた後は、いざ夜の街へ。
ニギニギ,,,ニギニギ,,,
すっかり日も落ち、更に賑わいが増したカオサン通り。
通りでは屋台らしきお店が点在し、得体のしれない品々がテーブルの上にぶちまけられています(個人の見解です)
並べられている品々は、時に麺、時に飲み物、時にタランチュラなどなど多種多様なローカルフードたち。
奇食ハンターへの憧れを胸に秘めた僕は、カラッと上がった巨大虫フライを素通りし、隣の屋台でタイ人が汗だくで作っていた30バーツ(約105円)の焼きそばらしき何かを購入させていただきました。ひとりで虫喰っても湧き上がる感情は悲壮感オンリーだからね。うん。
そしてそれらを手に近くにあった適当なテーブルで食事を始めようとしたところ、店員らしきタイ人(女)が奇声を発しながら近づいてきました。
民族舞踊を思わせる奇怪な動き。手にはメニュー。戸惑う僕。
身振り手振り(というかこれはもはや舞踊ですが)から察するに、どうやら何かをオーダーしないとこのテーブルを使う権利は与えられないよう。
なるほどそれがお前らのやり方か。
喉も乾いていたことだし瓶ビールを注文します。
え〜っと、じゃぁ、びーる!びーるぷりーず!
O~K~♡
間抜けづらの日本人から小銭をせしめることに成功したタイ人(女)は満面の笑顔で去って行きました。
この国では金で全てが解決しそうな気がします。
運ばれてきたビール。そして記念すべき海外1食目の焼きそばらしき何か。
いただきます。隣の屋台の虫さんたちよ安らかに。R.I.P芳賀さん(遊戯王参照)
肝心の味はというとTHE普通。感動もへったくれもありません。
ビールは世界共通でうまいですな。うん。世界を知らんけど。
立て続けにビールを3本しばきお散歩を再開します。
〜10分後〜
気付いたら知らないタイ人(女?)に足を揉みしだかれていました。
どうやらほろ酔いの僕はうまいこと(まんまと)マッサージ屋に吸い込まれていったようです。
請求額は200バーツ(約750円)激安の激。
無意識レベルの快楽主義は海を超えても健在のようです。
本場のタイ式マッサージでバキバキにされた後は、喧騒の街並みに順序よく流されて行きます。
興味本位で怪しい路地を曲がったところ、見たらわかるタイプのおかまに執拗に付きまとわれ命の危険を感じたので走って先ほどの独居房に帰ってきました。
ベッドに腰掛けバクバクする胸に手を当てながら壁を見つめ、冷静に考えました。
謎の言語。便所式シャワー。おかま。ぼったくり。虫。
ひょっとして、、、JAPANでの豊かな暮らしを自ら捨てた僕の脳みそのハードディスクは1バイトくらいしかないのでしょうか、、、
工場出荷状態からやり直したいものです、、、
もうここから先は"慣れ"頼み。
それでもきっと一週間後には、現地の言葉を巧みに使いこなし、足のつぼを押すモノもしくは日本人観光客相手にフリスクを砕いた白い粉を売りつけるものにでもなっていることでしょう。
そして現地時間AM2:00。初日。
記念すべきお散歩初夜はこうして更けていくのでした。
次回【それ、騙されてんで】タイ,バンコク編
ほいじゃ(`・ω・´)