たむ散歩 第3章

たむ散歩 第3章

2018.夏。飛行機に置きざりの旅行英単語集。知ってる英語は『Pardon?(なんて?)』一択。この物語は大都会東京のネオンに照らされ、長年どっぷり浸かった騙し騙されの愛憎劇の舞台を海の向こうアジアの地へと移した元キャバクラ店長”たむ”のアジア周遊回顧録である。

【元キャバクラ店長,海を渡る】国外逃亡編

 

僕の名は”たむ”  
28歳無職。(当時)
元キャバクラ店長。

 

 

栃木県は旧黒磯市に生を授かり、5歳で万引き、小学1年生でカツアゲ(単価200円)を覚え、何かと危険思想を抱いていた少年時代は父親から厳しい躾(当時のことは家庭内空襲と呼んでいます)を受け、一般的な家庭に比べわりとハードボイルドに育ちました。

 

 

が、友人に恵まれていたこともあり大してグレることもなく地元で平凡に?暮らしていました。

 

 

そんな20歳のある日。

 

 

 当時勤めていた倍率20倍で入社した地元の某一部上場企業。(ボクスゴイ)

 

 

当時、仕事をしながらも田舎の平々凡々とした日常に嫌気がさしていた僕は、溢れ出るデザイアをペン先に乗せ書き上げた退職願を工場長のハゲ頭に叩きつけそのまま上京。

 

 

大学に通うため上京していた愛するマイブラザー(実兄)の家に転がり込むことに成功します。

 

 

そして学歴なし×社会性なし×田舎者能無しトリプルアクセルの僕が飛び込んだのは、水商売の世界でした。

 

 

志望動機は

女の子とニャンニャンできるかも

 

 

モンドセレクションに"バカ部門"があったなら、満場一致で金賞受賞のしょうもない理由でした。

 

 

その後紆余曲折(イッパイ)を経ながらも大都会東京のネオンの下で、社会の規範とは遥か遠くかけ離れた、愛憎渦巻く夜の世界の住人として20代の大半を過ごしました。

 

 

夜の世界といえば、夜の蝶々(女)がヒラリヒラリと夜空(ネオンの下)を舞い、野に咲く花々(男)の蜜(金)を吸い上げるというまるでおとぎ話の一節のような、なんとも華々しい素敵な世界ですね。

 

  

ご存知の方も多いと思います。(吸う側も吸われる側も)

 

 

そんなキラキラと吸い上げ、吸い上げられるハリボテの物語が日夜描かれる夜の世界に身を置く中で、様々な業種の店長・統括を歴任し、様々な人を見、様々な経験をしてきました。

 

 

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 シャンパンダイスキ

 

 

振り返っても普通に生きていたら、まず経験しないであろう経験をたくさんさせてもらいました。

 

 

しかし類まれなるおバカさんだった僕は、ここでは書けないような色とりどりの失敗を発展途上国の過積載トラックが如く積み上げていきます。

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なぜこんなにもおバカさんだったのか。

 

 

自分自身、甚だ疑問でございます。

 

 

家庭環境でしょうか。生まれつきでしょうか。

 

 

それとも前頭葉※が爆発しているからでしょうか。 

 

前頭葉の役割: 前頭葉は、人が行動を開始し、または抑制する機能を司ります。 さらに、生活をする上で必要な情報を整理、計画して処理・判断することも前頭葉の役割です。 加えて、自己を客観的に捉えることや感情を持つこと、言葉を発することができるのも、前頭葉機能しているからです。引用:脳科学辞典 

 

 

恐らく後者。

 

 

理由はともあれ、その為幾度となくお巡りさんの厄介になり、想像力を失った幼さ残るその狂気は、時にバイクでパン屋に突っ込み、時にJR中央線を停止させ、時に誰かの頬に涙の快速列車を通過させてしまうほどでした。

 

 

 そんな僕もとうとう28歳。東京生活9年目。

 

 

振り返れば酒と欲にまみれた20代でした。

 

 

まぁいい加減この歳になれば前頭葉の機能も順調に回復の兆しを見せてきたので、イヤでも将来のことを考えてしまいます。いや、前頭葉が爆発してるなりに今までもちゃんと考えてきたつもりではありますが。

 

 

とにかく僕は考えました。

 

 

このままで良いのだろうか,,,

 

 

当時、統括を任されていた一つのお店(お◯ぱいパブ)で、知らない娘たちが知らないオッさんに乳を揉みしだかれている姿を監視している時でした。

 

 

知らない娘たちが乳を揉みしだかれている姿を真剣な眼差しで眺めながら僕はこう思いました。

 

 

 

羨ましい

 

 

と。

 

 

結局このままで良かったんでしょう。

 

 

 

心の声はいつでも素直です。

 

 

 

来る日も来る日も、名も知らぬおっさんたちが入れ替わり立ち替わりで来店しては、知らない娘たちの乳を揉みしだき、決して少なくはないお金を落としていきます。

 

 

 

コイツらは性欲とバカのハーフなのか? 

 

 

満面の営業スマイルであざっす!!あんたが大将!!男前!!と口にはしながらも、心の中ではガチガチの皮肉を吐き出していました。

 

 

しかし現実問題、性欲とバカのハーフがこの世にたくさん存在しなければ、この世界でおまんまを食べていくことはできません。

 

 

もちろん僕もその養分をすする一人なわけです。

 

 

僕の毎日は、コンコンと湧き溢れる乾いた心の声をただただ黙って押し殺し、目の前のイかれた光景を無理矢理正当化する日々だったのです。

 

 

自分の心を騙し騙しやり過ごしていた毎日のとある日。

 

 

その日もショータイム※中に、乱れきったオヤジどもから諭吉を奪取するために、お得意のマイクパフォーマンス(ノリノリ)でお客さんを煽っていました。

 

※ショータイム:女の子がお客さんの膝の上にまたがるサービスタイム。

お◯パブで一番盛り上がる時間である。ダウンタイムとも呼ばれる。

爆音轟く店内で、無数の娘たちが無数のオヤジたちに跨っている光景を初めて見た僕(当時20歳)の感想は『ここが天国と地獄の狭間か

 

 

 

 

Welcome  to  KAMATA city,,,,,,
皆様ぁいぃぃぃかがお過ごしでぇぇぇしょうかぁぁぁぁ !!
目の前に広がるおっぱい畑でのぉぉ乳首狩りタイムもぉぉぉ !!
残りぃぃ30秒 !!
のぉぉぉこりぃぃ30秒 !!
脳内ハードディスクに今宵の蜜の光景ダウンロードし放題でぇございます !!
今晩のオカズに是非 !!是非いぃぃ !!
未練のないよう狩り尽くしちゃってぇぇください !!
あーそろそろ時間が !!時間がぁぁ !!
あー!!あー!!あー!!
3,,,2,,,1,,,,,,,,,,,,,,,,
あい,ありがとございやした~ 
おっ◯いいっぱいショータイム終了のお時間でぇございますぅ
この後のお時間もごゆっくりぃごゆっくりぃぃお過ごしぃくださいませぇ~

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ポストとろサーモン久保はきっと僕でしょう。 

 

 

仕事とは言え、自分のアホさ加減にいい加減嫌気が差していたその時、不意に僕の心をざわつかせる、それはそれはエッヂの効いたパワーワードが脳内を駆け巡ったのです。

 

 

ふぅ,,,,,,なんやねん
お◯ぱいいっぱいタイム】て,,,
やってられるかっつーの,,,
しかしまぁ,,,おっ◯いがいっぱいねぇ,,,
お◯ぱいがいっぱい,,,
おっぱ◯,,,いっぱい,,,
あ,,,でかいのもあるね,,,,,,
でかぱい,,,お◯ぱい,,,
あ,,,ちいさいのもあるね,,,,,,
ちっぱい,,,ちっぱい,,,
ちっぱい,,,おち◯ぽ,,,
おちんp,,,おんぽ,,,おさんp,,,
おさん,,,ぽ,,,お散歩,,,?

 

 

( ゚д゚)ハッ!

 

 

ビビッときました。

 

 

5歳で初めて万引きをした商品がエチエチな本だったわけですが、それを洋服のお腹部分の内側に隠し入れてお腹が痛いようと弱々しく店主に言い放ちながら店を出てくれば、無料でエロ本が手に入ってしまうというなんとも驚きの手法を発見した時くらいビビっと来ました。

 

 

そうだ,,,お散歩だ,,,

 

 

このイカれた日常からエスケープし、東南アジアとかインドとかそこらへんをふらふらお散歩し、即身仏※になろう。

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密教系の日本仏教の一部では、僧侶が土中の穴などに入って瞑想状態のまま絶命し、ミイラ化した物を「即身仏」(そくしんぶつ)と呼ぶ。仏教の修行の中でも最も過酷なものとして知られる。

引用:Wikipedia

 

 

そんなやつをしよう。

 

 

究極の悟りを開いて仏の道を歩もう。

 

 

と。

 

 

一般的に言うならば、、、旅、、、。

 

 

、、、そう。旅。

 

 

海の向こうがいいな。 

 

 

きっと素晴らしい世界が待っているに違いない。

 

 

そう考えた僕は、ゲスの極みのファックジョブをいつも通り終え帰宅し、早速PCを開いてまだ見ぬ大海原の向こうの景色を文字通りサーフィンしに行きました。

 

 

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そこで見たものは僕の心を激しく揺り動かすものでした。

 

 

見たこともない景色。

 

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聞いたこともない風習。

 

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会った事もない異国の人々。

 

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画面越しの輝きに満ちた世界。

 

 

目の前の液晶が映し出す光景は、自分の人生の生きる世界の狭さを教えてくれるものだったのです。

 

 

僕のつぶらな二つのお目目はそのキラキラとしたまだ見ぬ世界に釘付けになりました。

 

 

しかし実際に行くとなるとお話は変わってきます。

 

 

僕らが生まれ、日々暮らすこの日本と違う言葉や風習、何より治安の問題が著しいと言われています。

 

 

少しネットで調べれば、やれ騙された、やれカツアゲされたというデンジャラスの見本市みたいな物語が列挙されています。

 

 

しかし実際にその土地の地面を踏み、その土地のにおいを嗅ぎ、その土地の風を感じなければわからないというもの。

 

 

実際に行ってみて全然思ってたのと違うじゃねーかクソが!!ブス!!というような事もいっぱいいっぱいあることでしょう。

 

 

けど、、、行きたい、、、

 

 

実際に行ってその土地のリアルをこの身で感じたい、、、

 

 

遠くから見れば大方のものごとは美しく見えるものです。それは理解しています。

 

 

しかし行かねば、経験せねば何もわからぬというもの。 

 

 

僕の生きていた世界ーーーすなわち夜の世界もまたそうで、はたから見るとキラキラしているように見えます。

 

 

実際にそのような部分も大いにあります。

 

 

僕にもそういう風に見えました。

 

 

実際、女の子とニャンニャンもできましたし(タイセツ)、欲と酒にまみれた生活はそれはそれは楽しいものでした。(もちろん大変な事もたくさんありましたが)

 

 

しかしそこは夜の世界。

 

 

実際に近づけば近づくほど、偉くなればなるほど綺麗事だけでは語れない、夜の世界特有のどす黒い闇の部分が浮き彫りになっていきます。

 

 

そのどす黒い闇の部分にどっぷりと浸かりきった僕の心は、いつの間にかススだらけになっていました。

 

 

本来、純粋無垢なピュアハートの持ち主である僕は、ススと埃で覆い隠していた本当の心の声(ピュアハートボイス)を無視することができなくなっていったのです。

 

 

心の声に従いたい。

 

 

けど現実は毒も飲まなければ飯を食っていくこともできない。

 

 

長い間、悶々と悩み、全てを放り出して海外に飛び出したいと人知れず悩み苦しむ日々が続きました。

 

 

そして、苦しみのさなか、お散歩衝動にかられ続けたある日、行き場を失ったススだらけの僕の拳は遂に、社長をぶん殴るという禁断の果実に手を出してしまうのです。

 

 

心の声(ピュアハートボイス)に従った結果でした。

 

 

理由を挙げればキリがないですが、この抑圧された現状から脱するには武力行使するしかないと当時の僕は考えたわけですね。 

 

 

選ばれしバカをLv60まで育てるとこのようなワザ(退職方法)を覚えます。

 

 

退職代行よりはまだ幾分マシでしょう。

 

 

心の声に従い、パンドラの箱を豪快に叩き割った僕は、地位も金も安定も全てをかなぐり捨て、長年勤めた会社を飛び出したのでした。

 

 

夜の世界でパンドラの箱を開けてしまってどうなるかは、、、ご想像にお任せします。

 

 

何はともあれ長年背負い続けた"責任"なる重い重い呪縛から解放され、この手に自由を掴み取りました。

 

 

自由を掴み取った僕の行き先はそう、海の向こう。

 

 

 

お散歩劇場の幕を上げる準備が整いました。

 

 

 

 夢にまでみた物語の幕開け。

 

 

 

そう。このお散歩劇場のタイトルは、

 

たむ散歩 第3章

 

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 ※トナカイです。

 

 

※第1章と第2章はありません。

ドラゴンクエストの最高傑作も3だし。スターウォーズも第3章から始まるし。知らんけど。

 

 

きっとダークサイドに堕ちるのも時間の問題です。

 

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お散歩期間は76デイズ。

 

 

どんな物語が紡がれていくのでしょうか。

 

 

もう一度、日出づる黄金の国ジパングの地を踏みしめることはできるのでしょうか。

 

 

 

、、、さて、これまでの僕の半生とお散歩の動機を長々と振り返ってきたわけですが、誰得茶番劇の前に、ひとまず主人公である僕の旅立つ直前のダイジェストと体のパーツごとのコンディションを整理してからひと幕あげていくことと致しましょう。

 

 

 

 〜フライト前日〜

 

①連日の送別会によるアルコール大量摂取。

友人始め関係各所が送別会を開いてくれました。

理性と肛門をぶっ壊すには、やはり酒が一番ですね。

肛門:爆発

 

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〜フライト6時間前〜

 

 ②真夜中の2on2(強制)

◆AM3:00◆

登場人物:幼馴染(バカ)with後輩3匹(バカ)

池袋→横須賀野外バスケットコート

【無理矢理】という言葉がよく似合うミッドナイトスポーツでした。

太もも:ミートバイバイ

 

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 ※心霊写真

 

 

 

〜フライト4時間前〜

 

③家系ラーメン大盛りフルカスタム(強制)

◆AM5:00◆

選択肢はございません。

高校野球部時代のの地獄の合宿を思い出しました。

腹:アー

 

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あのぅ,,,僕これから旅に出るんですけど,,,

 

いいじゃんいいじゃん

 

 

他人の苦しむ姿を見ることが、彼にとっては何よりも楽しいことなようです。

 

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※バカ 

 

 

日本を離れ世界を知るであろう晴れの日に満身創痍の言葉の意味を身を持って知ることと相成りました。

 

 

このベストコンディションの身体を引きずり引きずり長めのお散歩が始まっていくのです。

 

 

初日はそんなバカ御一行に成田空港までお見送りをしてもらいました。

 

 

※そこにいました 

 

 

 

そして一人取り残された成田空港。

 

 

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※写真撮るの下手

 

 

脳内BGMは、B.Bクイーンズで『ドレミファだいじょーぶ』

https://youtu.be/VuqDHYrVNa0 

 

 

初めてのおつかいin成田空港でひとしきり迷子になったあと、目的の飛行機に搭乗です。

 

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LCC※なる安価な料金と引き換えに、少し大きめのハリケーンに巻き込まれたらいとも簡単に大勢の搭乗者をまとめてあの世送りにできるであろう飛行機に搭乗し、始まりの地である"微笑みの国タイ,首都バンコク"に向かいます。

 

格安航空会社(かくやすこうくうがいしゃ)とは、効率化によって低い運航費用を実現し、低価格かつサービスが簡素化された航空輸送サービスを提供する航空会社である。ローコストキャリア(Low-cost carrier, LCC)とも言われる。

 

 

さよならJAPAN。

 

 

 

 

次会うときはひとつウエノ男。

 

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始まる、長い空の旅。一人で飛行機乗るの初めてドキドキ

 

 

通路を通り抜けて辿りついた先の僕の席は、バスのイスをきも〜ちアップデートさせたレベルの座席。

 

 

両隣は黒人。距離2ミリ。触れ合う肘。

 

 

僕は思いました。

 

 

果たして本当にこの飛行機はタイに向かうのだろうか,,,

 

 

僕の半径1mだけは,実はアフリカ行きの便ではないのだろうか,,,

 

 

機内の音楽も心なしかレゲェ調のメロディになっている気がします。

 

 

一抹の不安と座席からの激しい突き上げを激しく感じながら就寝です。

 

 

目覚めた頃には腰椎をいくつか失っている事でしょう。

 

 

それか起きたら三途の河。期待です。

 

 

さて次回は、

 

海の向こうは魔窟でした】タイ,バンコク

 

 

 

 

TSU☆ZU☆KU

 

 

#旅#一人旅#バックパッカー#東南アジア#タイ