【ロストボーイseason1】タイ,バンコク編
イケメン白人の口元から放たれる轟音が子守唄の夜が明けました。
夜中に何人か部屋から出ていったきり帰ってきませんでしたが、きっと音楽性の違いによるものでしょう。
彼のいびきは顔面同様、ワールドクラスのイケビキ(イケてるイビキ)でした。
さて、3日目。気持ちのいい朝です。
『海外3日いたら普通に英語耳になるよ?』と海外によく行く知人から聞いていたので、どんなもんだとフロントでチェックアウトの手続きをしてみましたが、なるほど。ちゃんと呪文です。
雰囲気でチェックアウトを済ませ朝ごはんを食べに行きます。
見つけたいい感じのお店。
写真を指差し
でぃす!
海外での注文も慣れたものです。
登場した食事。もちろん指差したものとは違う料理が出てきました。うん。
バックパックを背負ったまま観光すると肩を失うことになると学習した僕は、午前中のうちに今夜泊まるゲストハウスに荷物を置きに行くことに。
海外には【日本人宿】なる、せっかく海外に来たにも関わらず、日本人が揃いも揃って雁首並べて、昼はみんなで観光、夜はみんなでパーティーをしているというなんともけしからんゲストハウスがあるそうです。
そんな楽しs,,,けしからん場所があるだなんて。
やはりせっかく、せっっかく海外に来たのであれば、文化も言葉も違う外国人が多く集う場所に出向いてこそ旅の醍醐味というものでしょう。みなさんもそう思いませんか?
よし。今夜は日本人宿に泊まることとしましょう。
(べ、別に楽しそうとかそんなこと思ってなんかないんだからねっ!!
ネットで色々と調べてみると、バンコクにある人気日本人宿【ロングラックゲストハウス】では安全志向のけしからん日本人たちが徒党を組んで夜な夜なパーティーを繰り広げているそうです。
若い旅人に大人気で、『バンコクで日本人に会いたかったらここ!』と言われているとか言われていないとか。
取締りが必要です。
LINE@でアポをとり早速突撃。
門をくぐりこんにちわ〜と挨拶をするとお話に花が咲いていたゲストらしき複数名の会話がピタッと止みました。
流れ出す謎の空気。灼熱のバンコクに響き渡る鳥のさえずり。
チュンチュン
僕のツラ構えが気に食わなかったのでしょうか。
わぁ!よくきたねぇ!こっちでビールのもぉ!!
わぁ〜い!
日本人宿サイコゥッッ!!!
、、、、、、
、、、はっ!!
なんだただの白昼夢かっ、、、
想像(願い)と現実のギャップがグランドキャニオン級なのは、タンクトップ丸出し刺青のせいでしょうか。
かけつけてきたスタッフもなんだかよそよそしかったのはそういうスタイルなのでしょう。
そう思っておきましょう。
僕のハートはギザギザハートの敏感肌なのです。
少しばかりやさぐれた僕は荷物を荷物置きスペースにぶちまけ、目についたラックにあった紙切れを奪取し、着の身着のままゲストハウスを飛び出しました。
いいもん!一人でできるもん!
やさぐれプリプリ丸で歩いているとポケットに先程の紙切れを無造作に突っ込んでいたことを思い出します。
日本語が書いてあったのでとっさに手にした紙切れでしたが、近隣の地図とバス停、ご丁寧に観光情報まで日本語で書かれています。
これ幸いと今日行こうと思っていた【スネークファーム】への手がかりを探します。
スネークファームとは読んで字の如く蛇牧場なわけですが、ぼくもバンコクくんだりまでわざわざやって来てただ蛇を見に行くわけではありません。
このスネークファームは、狂犬病だったり肝炎だったりの様々なヤバい病気の予防注射が日本よりも格安で摂取できるということで、これから世界を旅しようという旅人たちがこぞって立ち寄りワクチンをぶち込んでいくいわば病院みたいなところです。
ふ〜ん。で、それで蛇と予防注射になんの関係が?と思っていることでしょう。
察しの良い方はもうお気づきかもしれませんが、蛇の毒からできる血清を作るのに様々な研究が行われており、その過程でついでだし色々な病気のワクチンも作っちゃいました☆的な感じらしいです。たぶんそんな感じ。
そんな蛇牧場でバカでかい錦蛇を首に巻きに行きます。それが目的です。ワクチンは打ちません。はい。
なんやかんやとバス停にたどり着き
やって来たそれらしきバスに乗り込みます。
〜40分後〜
着きました。
正式には【サオワパー女王記念研究所(Queen Saovabha Memorial Institut)】という名前でした。赤十字系の病院(研究所)らしいです。
本館の横の施設で蛇をいっぱい飼ってるっぽい。
フェスか?
ずんずん進んでいくと。
いました。ヤツ達です。
毎日定時(平日am11:00 & pm14:30、土日祝pm14:30)にキングコブラと職員の殺し合い(想像)が開催されているのらしいですが、着いたときには午前中の殺し合いが終わっていたので近所の有名なシーロム地区をお散歩します。
ここいら辺は日本人街のタニヤ通りが有名ですね。
タニヤ通りと言えば、東南アジアでも最大級の日本人向け歓楽街としてその名を馳せており、日本食レストランや居酒屋はもちろんのこと、うらやまけしからんいかがわしいお店が数多く点在しています。
日本語の看板があちこちで目に付きます。きっと日本人観光客やビジネスパーソンから金をギッチリ絞りとる場所なのでしょう。
ふらふらしていると吉野家が。テンションブッチギリのペチンペチンです。
わーい!
さすが世界の吉野家!すっき!
よっしのや♪
よっしのや♪
よっしのy,,,♪
よっs,,,
GYUNOYA!!!!!
吉野家じゃねぇ!!!!!!
そこにあったのは吉野家ならぬ牛野家。気合の入ったパロディです。
まぁ,,,いっか,,,
牛丼だし大して変わらんだろう。
果たしてタイ牛丼のクオリティはいかがなものなのでしょうか?
そんなことより料金はいくらなのでしょうか?
店先のメニューの看板を眺めます。
え〜っと。
牛丼並が170バーツで豚丼110バーツか。
え〜っと日本円だとバーツの3.5倍だから,,,
,,,600円っ!!!!
※拾い画
たけぇ!!!
まさかの日本より高くて震えました。
170バーツを牛丼1杯に払う余裕なんぞもちろんないので牛野家を泣く泣くあとにし、安いローカルフードを探しに現地人がたむろしていそうな路地へ突入して行きます。
後に調べてみたところ吉野家よりおいしいとの噂で、経営上の関係性は皆無とのことでした。気合入ってる。
ランチタイムを楽しむ者たち。
謎の食べ物たち。レベルたけぇ。
肝心の実際食べたものは撮らないスタイル。食べたものは,,,忘れました。
忘却の彼方へ飛んでいったタイランチをたいらげ、再度ふらふらしていると突然のスコール。
東南アジアらしいスコールの名に恥じない突然さ&プールをひっくり返したような雨。ちょっと感動。
雨上がり、水たまりがあちこちに姿を現した街をペチペチ歩いていると
オニサンカワイイカワイイ
知らないおじさんに突然褒められました。
え?オレ?うん?ありがと?
褒められて気分は悪くはありませんが、確かな悪意だけは感じ取れます。
僕は水たまりを見る。そしてこう考える。
(あぁ,,,客引きだぁ,,,)
手元から次々と飛び出す女の子(写真)たち。
オニサンカワイイカワイイ
わかったわかった、
俺がかわいいのはわかったから。
女を買わせたいのか俺を口説いてるのかハッキリしてくれ。
オニサンサキッチョダケチョットダケ
なんのサキッチョだかは不明ですが、とりあえず危なそうなのはわかったので親父のラブコールを振り切り、近くにあったウッドデッキ付きのバー的なところへエスケープします。
ふぅ,,,
俺にサキッチョダケを求めるなよ,,,
ビールと共に一服かましていると刺さるような視線を感じました。
まさかと思い視線の元をたどると,,,
サキッチョ親父です。
路地のあいだから見てます。
すごく見てます。ほとばしる悪意を感じます。
口元にほのかな笑みを浮かべているあたりサキッチョダケを諦めてはいないようです。
静かにウェイターを呼び会計を済ませ、そっとその場をあとに。
大都会バンコクの喧騒が心臓の鼓動を後押しします。
気づかれぬよう足早に店から離れ、数十メートル離れたところで振り返るとまだ見てました。
駆け足でさらに離れうしろを振り返ると道路の真ん中に立ち尽くしたヤツがまだ見ていました。
(サキッチョダケェ!!!!)
ひっ
一目散に逃げ出しスネークファームへ帰還。
蛇と職員の殺し合いを眺める前に、僕が一方的に捕食されるところでした。
守り抜いた貞操を大事に抱え、スネークファームで始まるは、お待ちかねの命を賭した死闘もといデュエル。
麻袋から放たれた蛇を芝目を読むような冷静な目で眺める職員。
ガチガチのキングコブラ。
気になる蛇と職員のデュエルの結末は、蛇のリアルコブラツイストTKO勝ち,職員の緊急搬送で幕を閉じました。病院がすぐとなりでよかったですね。
そしてニシキヘビと記念撮影。確かなマジ顔です。
約20年前にTVでやっていた【世界超密着TV!ワレワレハ地球人ダ!!】のスネークハンターシリーズで、クルーたちが夜の泥川で大型種の巨大アナコンダに遭遇し、木伏Dが捕獲しようとした際に巻き付かれ「出ちゃう出ちゃうよ、内臓出ちゃうよ〜」と言う名言を残したわけですが、その気持ちがなんとなくわかったような気がします。
蛇たちにお別れを告げ再度街へ。
なにかしらの記念公園にたどり着きます。
色々とツッコミたい気持ちがほとばしっておりますが、タイ関係者に怒られそうなのでやめておきます。
のほほん。
しばらく公園でののほほんタイムを楽しみましたが、野生の巨大アナコンダに遭遇するでもなく平凡すぎる時が流れ行くばかりの午後に飽きてきました。
いや知らない親父に見つめられるより平凡なほうがもちろんいいわけですが、とりあえず宿に戻ることとしましょう。
かばんに入れておいた例の紙切れを眺めてみましたが、もちろん帰り道のヒントは書かれていません。
調べるか,,,
しばらくIphoneとにらめっこをします。
するとバンコクのバス運行情報が地図上で簡単に調べられるらしいなんとも素敵なアプリを発見しました。
早速アプリを起動し操作してみると、なんと地図上をバスがひた走っているではありませんか。
どうやらリアルタイムで走っているバスのGPSと連動しているご様子。
それとなくゲストハウス方向に向かう感じのバスが最寄りのバス停に近づいているっぽいので急いで向かいます。
何だタイもインフラちゃんとしてんじゃん
嬉しい肩透かしでホッとしますが、iPhoneの充電が残り10%を切っています。
撮影やら調べ物で何かといじくっていたせいでしょう。
モバイルバッテリーは宿に置いてきてしまいました。
少し心許ないですが、まぁ、何とかなるでしょう。
降りるべきバス停の番号を頭に叩き込みやってきたバスに乗り込みます。
帰ったら酒のも
〜1時間後〜
橙色に染まった空。走り去るバス。喧騒の街並み。
立ちすくむ僕。
ここ,,,どこ,,,,,,
〜5分前〜
うたた寝しているあいだに頼みの綱のiphoneが見事に臨終し、ついでに降りるべきバス停もしっかりロストメモリーしました。
焦った僕は寝ぼけついでに停車したバス停で降りてしまいます。
俺の脳内メモリは鶏サイズかよ。
そんなことを悠長に言っている場合では無い様です。
西日に照らされ走り去ったバスを眺めながら立ち尽くす僕。
え〜っと、これはつまり〜,,,
遭難だぁ,,,
東南アジアはタイ,バンコクの地で遭難開始のゴングが鳴り響きました。
リアルロストボーイシーズン1。
傾き続ける太陽とともにスタートである。
と言ってもどうすればいいかは全くわかりません。英語しゃべれないし。
甘く美味しそうな匂いが漂ってきたので、ひとまず目の前の屋台にいざなわれます。
タイ風バナナクレープといったところでしょうか。
※参考画像
これ食わずして遭難できるかってもんです。
お味は,,,バナナクレープです。
ふぅ、バナナ最高。さてと。
太陽にむかって歩くか。
ここがバンコクの北側に位置しているものだと仮定するのであれば、カオサン通りは間違いなく太陽の方向。
GO!!!
どこで培ったか謎のサバイバル力が発揮され、無事に宿に到着!!
の、はずでした。
〜1時間後〜
み、水、、、
バンコクの地をで彷徨い続けること一時間。
もはやここがバンコク市内であることすら疑わしく感じてきました。
ピースの揃っていないジグソーパズルを延々と解かされている。もはやそんな気持ちです。
いつだか読んだサバイバル本に『山で遭難したら川を探せ!』なんて書いてあったもんだから素直に従ったらこのザマです。確かに宿の近くには川が流れていたはず。クソが。
周りを見渡せばしっかりと日も暮れ始め、東の空は徐々に闇に侵食されていっています。
このままだと今度こそバンコクのダークサイドに引きずり込まれてしまう、、、
この一時間散々一人で足掻きましたが、自分だけの力だけではどうにもならないことをようやく受け入れます。
恥も外聞も言語の壁もぶち壊し手当たり次第に近くのタイ人に声をかけていくことに。
へい!
あいあむろすとぼーい!
でぃすいず超ヤバイ!
HA?
冷静に考えて、脳ミソ焼き切れたヤバイやつの単なる自己紹介です。
もぉ〜!
だぁかぁらぁ!
でぃすいず最高にちょうど良いやばさ!
HA~???
言うてる場合じゃない!
う〜ん、あっ!
りばー!あいごーとぅーりばー!
River? River is over there.
道路の向こう側を指差す村人。指先を追う僕。
りばー?
Yes.It's River.
ガッ
交わされる熱い抱擁。人種を越え芽生える美しき友情。
世界は愛でできている。
ありがとぉー!!!
〜15分後〜
クソが!!!
村人Aが指差した方角に川は無く、待っていたのは切ない気持ちのゴミ捨て場。
全てを諦め、先ほどの村人Aを助走つけてぶん殴りに行こうか考えましたが、日本にいるおばぁちゃんの顔が浮かびます。
よぉ〜へ〜やっちゃいなぁ〜
どうやらイメージの中では祖母お墨付きの様ですが、大好きなおばぁちゃんの顔が2度と拝めなくなりそうなのでやめておきます。
切ない気持ちのゴミ捨て場に切ない気持ちをぶん投げ、トボトボと歩きながら『お寺があったら出家しよう,,,』と考えているとセブンイレブンが見えてきました。
セブンイレブンか,,,
最後の晩餐は崎陽軒のしゅうまい弁当がよかったな,,,
お腹減ったなぁ,,,良いなぁ,,,弁当良いなぁ,,,
,,,ん?んぉ!?ちょっと待て!
ああ!このセブンイレブン見たことあるぞ!!
周りの景色をよく見てみると、昨晩夜食にと弁当を買ったセブンイレブン周辺ではありませんか。
あいむラッキーボーイ!!
と、言うことはこの近くに川が流れているはず,,,
あった。
りばあああああぁぁぁぁ!!!
川がありました。間違いなく昨晩歩いた川沿いの道です。
漂流先の無人島でセスナ機が飛んでいるのを見つけた遭難者が如く狂喜乱舞し川沿いを駆けていきます。
駆け抜けた先には日本人宿【ロングラックゲストハウス】の看板が。
生きのび,,,た,,,
満身創痍の体を引きずり引きずり宿の玄関を開けると、大自然の脅威との戦いに勝利した奇跡の生還者である僕を宿のみんなが大歓声でお迎え!!
るはずもなく、待ち受ける静寂。
それはそれは粛々としたお出迎えでした。
ここにオレの冒険譚に興味があるやつはいないのか。
とにも角にも腹が減ったのでご飯を求め外へ。
もう遭難はしない!!!はず。
宿の近くで見つけたTHE食堂で歓喜の食事。
無心でガッツきます。
救助された遭難者が最初の食事を食べるときのイメージで食べたらとてもおいしかったです。
実際遭難してましたし。ええ。
隣のタイ人がなぜか笑っていました。笑ってんじゃねぇ。
何よりも嬉しい食事を平げ宿へ帰還。
相変わらず僕に声をかけてくる者は一人もいません。こいつら言葉失ったんか。
そして部屋へ。
今日明日はドミトリー(共同部屋)があいていないらしく2階の一人部屋(350バーツ=約1200円)に通されます。ちと高いがしょうがない。まくらの押し売り始めよう。
与えられたダブルベッドの最高級スウィートルームで荷物をぶちまけているとお外の中庭からウフフアハハと楽しそうな声が聞こえてきます。
およ?
窓から中庭の様子をそっと覗いてみると、先ほどまで静かだった中庭で7,8人の若者たちが並べられた石の巨大テーブルを囲み、大いに盛り上がっています。
これは、、、
以下妄想
よーし!みんな飲むぞぉー!
イェーイ!
あ!見て!新しい旅人が来たよ!
あのぉ,,,
よく来たねぇ!!
ここ座りなぁ!!
ビールもあるよぉ!!
うわーい!!
日本人宿サイコゥッ!!
朝が来るまで終わることのないダンスパーティーの予感です。
よし。僕も参戦して大いに場を盛り上げてやろう。
元キャバクラ店長の底力でバンコクの夜に笑いの大輪を咲かせて差し上げよう。
デュフフ
今朝から受けてきた塩対応を都合よく忘れ、早速タバコとエンターテイナー精神を胸に中庭に突入します。
これでそれとなくテーブルを囲んだ石づくりの長椅子に座れば
わー!!
新しい仲間が来たぞー!!
イケメーンキャーキャー
ふぅ〜!!!!
となるはず。よし、着席だ。
(ガヤガヤワイワイ,,,)
よっこらせっと
(ピタ,,,,,)
(ワイワイガヤガヤ,,,)
ん???
昼間の白昼夢の続きでしょうか。みんなぼくのこと見て一瞬止まったよね。
ひとまずタバコに火をつけ、盛り上がっている御一行が僕になにかしらの合図を送って仲間に入れてくれることを期待しタバコをフカし続けますが、一向にお声がかかることはありませんでした。
冷静を装いながら聞き耳を立てていると、アジアの国境事情について得意げに知識をひけらかす
僕,,,旅,,,してますから,,,ドヤァ!!!
的な学生風の男の子(僕旅してます系男子,通称僕旅系男子。この系統の男子に遭遇すると旅の先輩ヅラをして、聞いてもいない情報を一生話し出す)が場をグルングルンと回しています。
君は旅に出て何日目〜?
えっと僕は5日目です
1週間かぁ!
まだまだ始まったばっかじゃん!
旅はいいよ〜!
ちなみにカンボジアの国境を超えるときはうんぬんかんぬん
僕より後に来た陰キャ風な男の子に轟々と先輩風を吹かせています。
ぼくには???
どうやら水商売系刺青男子は、ここには存在していないことになっているようです。
もちろん訳のわからないガキンチョに先輩風吹かされたら、それこそ風速50mの風をお見舞いしてやる訳ですが。
そして20分続いたタイムレスチェーンスモークも虚しく、とうとう僕にお声がかかることはありませんでした。
今宵過ごす夜は、日本人との楽しい夜異国編。
ではなく、やさぐれハブられナイト。
グスン
哀愁漂う重い足取りでスゴスゴと自室に引き返します。
前世の業(カルマ)の影響でしょうか。前世でいじめっ子だったか。クソが。
2階の自室にまで中庭で盛り上がる楽しそうな声が聞こえてきます。
むしろ先程より一段と盛り上がっているようです。クソが。
電気を消し、疲れた体をベッドに横たえそっと目を閉じます。
あとはひたすら無限の思考の海を泳いで、現実をシャットダウンするだけです。
NIKEの靴箱の中でジッと息を潜めて生きていきたい。
日本人なんか嫌いだ!!!
小さな島国を飛び出し、開放感と下心の相関関係を酒を通じて探究するキラキラな若者たちの宴。
一人枕を濡らす28才独身。
オレにも探究させろや。
社会不適合者の鎮魂歌を子守唄に、悲しみのハブられナイトは更けてゆくのでした。
次回【アユタヤの呪い】タイ,アユタヤ編。
ほいじゃ(`・ω・´)
【それ、騙されとんで】 タイ,バンコク編
こ、ここは!?
目を覚ました瞬間、ありがちなパニックを挟見つつ、日本を飛び立ったことを一通り後悔し終えてから2日目スタートです。
エントランスの陽気なおばちゃんの英語が聞き取れず、相変わらず完璧に使いこなせている単語は苦笑いの「pardon?」のみ。
唯一のコミュニケーションツールである「pardon?」を巧みに使いこなし、おばちゃんのせせら笑いと共にチェックアウトを済まして向かった先は、あの46m黄金の寝釈迦像世界遺産ワットポー。
,,,のはずでした。
カオサン通りの突き当たりを出たところで、声を掛けてきたトゥクトゥク使いの親父。
he~y.Where are you going?
え?え?わ、ワットポー!
Wat Pho? Ok !! Follow me !!
Get in !! I’ll take you Wat Pho!!
もうっ!全然わっかんない!日本語で喋って!
※英語は妄想です。
おもむろに地図を取り出し2箇所に丸をつけ何かのルートを書き始めた親父。
ワットプラケオ、ワットポー
にわか知識の僕でもバンコクの世界的有名観光地であることがわかります。目的地だ。
ほう。散々っぱらネットで見た噂のツアー的なやつかー。
できる子やん。で、いくら?
20BHT(約70円)
安っ!!乗る!!
OK~ !! Get in !!
親父のトゥクトゥクに乗り込みすぐさま出発。
そしてトゥクトゥクをしばらく走らせ、最初に到着した先はそれは立派なスーツ屋さんであろう場所。
おい、親父。なんだここは。
どこに釈迦が横たわってんだ。
(以下妄想)お釈迦様はちょっと置いといてやな!ここのスーツめっちゃかっこいいんやって!バンコクのできる男はみ~んなここのスーツ着てんねんで?しかも安いで!4000バーツ!
今すぐバイクを出さないと30秒後にはお前が地面に横たわってることになるぞ。
なんやせっかく連れてきたったのに。これやから貧乏人はブツブツブツブツ,,,
これが噂のオーダーメイドスーツ詐欺,,,!!
騙されることを過剰に恐れた僕は、前もってタイの詐欺事情について死ぬほどググっておいたのです。
何もわからず店内に連れて行かれていたら僕が御陀仏するところだったぜ。
そして無事2日目の観光地一箇所目を後にした一行が向かう先は、やっとこさ世界遺産ワットポー。
,,,のはずでした。
僕をバンコクのダークサイドに突き落とすことができず機嫌が悪くなったのか、初めの頃とは打って変わって無言でバイクを走らせ始めた親父。
しばらく走った先で停車するトゥクトゥク。
着いたか親父。ど~れ、釈迦ちゃん出ておいで~。
目の前には川。ただただでかい川。
おい親父。釈迦は川底で横たわってるのか?
普通にトゥクトゥクで行っても面白くあらへんから、ニイちゃんがバンコク思いっきり楽しめるようしたったんやで!ドヤァ
船乗ってクルージングや!ドヤァ
こんなやつ
押し売り名人だなお前。ちなみにいくらその船。
1800バーツ(約6300円)
はい。即身仏決定ね。手頃な穴掘ってやるよ。
(,,,とは言ったものの、船の旅ってなんかいいかも,,,川,,,好き,,,)
わかったよ親父。1000バーツ(約3500円)なら乗るよ。じゃなきゃ帰る。
無茶言わんといたってや(笑)。1500バーツ(約5300円)やったらええで~
(スタスタスタスタ)
わかったわかった!ええ!1000バーツでええ!!
(スタスタピタッ)
そうか。やればできるじゃないか。乗せろ
おおきになぁニイちゃん
とまぁまたもやタイの洗礼を浴びたものの、おばちゃんに1000バーツを支払い船に乗り込むことに。
※これは後に判明するわけですが、ただの移動船で1000バーツ(約3500円)もお金を取られることはありません。だいたい15バーツ(約50円)前後。もっとちゃんとした船で一日乗り放題でも150バーツ(500円)前後。ちなみに現地人の1000バーツの感覚は日本人でいうところの10000円ぐらいらしい。
いやぁ素晴らしい!実に素晴らしい!
そんなこととはつゆ知らず。お得に乗れたと思ってる。バカ。
ふっ。騙し騙されの世界で戦っていたこの俺さまを騙そうだなんて100年早いんだよ!(騙されてる)
船着場から船が出航する時に、ふと岸に目をやると親父が満面の笑みで手を振っていやがりました。
それに応じ笑顔で手を振る僕。
ありがとー親父ー!
(騙されてる)
親父の財布を温めた僕を乗せ始まる船旅。
一言で言うとタイ版ジャングルクルーズ。南国の風はスパイシー。
これと言った見所もなく、川辺に立ち並ぶ民家の裏口を延々と見せられます。
向こうの船の彼女はきっと15バーツで乗船していることでしょう。
オーダーメイドスーツに身を包み、ボロボロの乗合船で南国のスパイシーな風を全身に浴びた上、財布も空っぽにしたい方は、ぜひともカオサン通り周辺のトゥクトゥク使いの親父に声を掛けてみてください。
そして散々騙された(まだ気付いてない)末、やっとの思いで念願の世界遺産ワットポーに到着。
ひとまず腹ごしらえ。
米がなげぇ。そしてうめぇ。
なんか有名な店だったみたいです。
腹を満たし、いざ敷地内へ。
奇妙な石像たちがお出迎え。
ネコ科の悪魔でしょうか。
御本尊へ。
帽子,タンクトップその他諸々入場時の服装制限が厳しめ。
足の裏綺麗。感想以上。
あれから仏教のことを色々と勉強した今の自分だったらもう少しまともな感想が言えるのかも知れませんね。
ちなみにこの足裏を眺めているときにカメラを持った3人組、恐らく現地のYouTuber。
Interview OK?
取材を申し込まれる謎展開。
ハンドカメラとマイクを向けられ、何かを質問しているであろうインタビュアーと
あいあむさむらい
しか言わない僕とでは、もちろん会話が成り立たず、まさに『お話になりませんわ』的な顔をして去って行きました。
今も地球上のどこかで、あの時の映像が誰かに見られているのかと思うと、ケツメドあたりがキュンっとします。
さて、地図のようにここら辺のエリアは、チャオプラヤー川という大きな川沿いにいくつもの建造物が建てられています。
目的地の一つであるワットアルンはチャオプラヤー川の反対岸。
調べてみると向こう岸に渡るための渡し舟があるそうな。
再度リバーサイドに赴き周辺を散策すると早速発見です。
4バーツ(安い)を払い、4バーツ分の距離(100m)を向かい側へ。
この時点でさっきの船の異常な料金に気付きます。クソ。
ちなみにこのチャオプラヤー川、普通にワニ泳いでるみたいです。
ワニに襲われる神展開はもちろんなく、無事川を渡りきり世界遺産ワットアルンに到着。
三島由紀夫の小説『暁の寺』の舞台にもなっており、現在の10バーツ紙幣にも描かれています。ここは夜が綺麗みたいです。
アーティスティックな建造物の数々。タイ特有の建築文化に心奪われます。
,,,が、それも高温多湿×灼熱の太陽、そして20kgのバックパックがなければのお話。
全身びちょぬれ。肩は亜脱臼寸前。
早々にHPを使い果たし世界遺産巡りにもちゃんと飽きた僕は、敷地内にあったベンチに腰掛け、通りゆく観光客を眺め始めます。
帰ろ,,,
それからは再度トゥクトゥクでカオサンに。二日でだいぶ慣れたものです。
今度はしっかり値切り倒し、きちんと最短ルートを40バーツで運んでくれました。
人によりますね。見分けることはまず無理でしょうが。てか相場把握してしっかり交渉して相手の突け入る隙を与えなければ良い話。
そしてカオサンから少し離れた先のゲストハウスに飛び込みで予約,,,をビビった僕はTrip.com(宿泊予約サイト)で今宵の宿を予約。
初めてのドミトリー(集団部屋)。
同部屋になった外人たちが僕の一挙手一投足を見守っています。
はっ!!こいつらもしやオレのバックパックを!!
狙いは僕のカバンと日本製品,,,?
謎の勘ぐりが発動し、持ってきたワイヤーロックでベッドの木枠にバックパックをグルグルに巻き付け、さらに布団を被せたシェルターをこさえます。
さしづめバックパック監禁拘束プレイと言ったところでしょうか。
これで盗られたら日本帰ろ
盗れるものなら盗ってみろと言わんばかりのウザ顔で振り返ると、目があったイケメン白人が屈託のないイケメンスマイルを返してくれました。
なんか,,,ごめん,,,
リスクヘッジを怠らず盗難対策バッチリにしたはずなのに、少しの申し訳なさを感じながらシェルターを後にし、近所をお散歩。
今日のご飯は何にしよっかなぁ♪
ローカルフードが良いなぁ♪
ゴクリ,,,
えげつない引力を感じる看板でしたが、何とかスルー。
ひっそりとした通りにひっそりと佇んでいたローカルの権化みたいな屋台に飛び込みます。
謎の調味料たち。
ゔぉぇっっっっ!!!
ズズズズッッ
「セブンのお弁当〜鶏肉(辛)とコメと目玉焼きと〜」40バーツ(140円)
辛ェ
一人見知らぬ国の誰もいない川沿いで、コンビニ弁当を汗だくでかきこみながら二日目の夜は更けていくのでした。
P.S セブンが一番
じゃ(`・ω・´)
【海の向こうは魔窟でした】タイ,バンコク編
空の旅は7時間半にも及びました。
そうして到着。到着のアナウンスで起床。
黒人にサンドイッチされての起床だったので”夢か現実か” ”タイかアフリカか”を把握するのに少々時間がかかりましたが、どうやら無事にバンコクに着いたようです。
腰椎はもれなく姿を消しているようです。
『リアルサファリ。首刈り族編。』
初日のブログタイトルが世界の理(ことわり)を教えてくれそうなものにならずに済み、心から神に感謝しています。
さて、失われた腰椎の捜索願受付カウンターはどこでしょうか?
早速探しに参りましょう。
🔸1カ国目,タイ🔸
タイ王国(タイおうこく)
首都:バンコク都
通貨:バーツ
人口:6,891万人(2017年)
タイは何と言っても微笑みの国。
どれだけの微笑みが僕を待ち受けているのでしょう。
タイのマクドナルドはスマイルいくらで販売なさっているのでしょうか?。
まずは入国審査です。
これから何度も通過するであろうイミグレーションです。早めに慣れておくのがベターというもの。
イミグレーションに到着すると、現地の入国審査官が満面の仏頂面で出迎えてくれました。
この国の微笑みは、僕が思う微笑みの概念とは少し違うのでしょうか。
違うことを願うばかりです。
そして始まる入国審査。
緊張の面持ち。
元気よくいきましょう。
Hello!!
【審査官】Hi.What's the purpose of your visit?(何しにきた?)
え〜っと、、、トラベル!!!!
HA?
あ?
HA??
木霊でしょうか?
いいえ。誰でも。
終始返答の合間を突いて放たれるこの『HA?』
腹立たしい。実に腹立たしい。
タイ入国5分ですが、現状アジア1腹立つ顔。
微笑みから最も遠い顔です。
日本の皆様とこの感情をシェアしようと、アジアイチ腹立つ顔を写真に収めてやろうと試みましたが割と本気トーンの『No!!!!』を頂戴したので怖気付いてやめました。
そして無事通過。フゥ。冷や汗で平熱が2度下がりました。
通過後はバゲージクレームなる手荷物ターンテーブルで相棒のバックパックを回収し、タイの野に放たれます。
よーし、いくぞー
、、、、、、
、、、野に放たれたは良いものの何から手をつければ良いのか全くわかりません。
過ぎ行く旅行者を眺めながら立ち尽くします。
、、、、、
帰りたい,,,
、、、、、
\ __ /
_ (m) _ ピコーン
|ミ|
/ `´ \
( ゚∀゚)
ノヽノ |
< <
そうだ。
まずはあれだ。金だ。金をおろそう。
何をするにも先立つ物はお金。ひとまずATMでお金をおろしましょう。
持ってきた日本円を換金所で両替する手もありますが、空港の換金所は換金率が低いとネットに書いてありました。
余計なお金を払うのはシンプルに癪なので、日本から持参していた【CASH PASSPORT】なる海外用キャッシュカードを使ってお金をゲットしにいきます。
そう。これさえあれば、口座にブチ込んでおいた日本円を国をまたいでも現地ATMで現地のお金として引き出すことができる。バックパッカーの強い味方である。
、、、と説明書に書いてありました。
真偽のほどは定かではありません。
ひとまず空港内でATMを探します。
早々に発見。キャッシュカードをブチ込みます。
吸い込まれゆくキャッシュカード。
初めての試み。高まる心拍数。まばたくつぶらな瞳。
そして画面に浮かび上がる見慣れぬ文字列。
HA?
こちとら飛行機に英単語集置いてきてるんだ。
古代文字を学びにきてるんじゃねーんだ。
ひとまず右下の【 EXCHANGE LANGUAGE】という、恐らく『言語を変えちゃうぞ☆』と思われるであろうボタンをそっと押してみます。
ピコン
日本語に変わりました。
ほっ。
見覚えのある文字を前に、なんとなく操作を続けていきます。
え〜っと,,,これでよし,,,と,,,
ピコン
【ATM】おろせません
HA?
ふぅ〜,,,よし。壊そう
大丈夫。僕はやればできる子っておばぁちゃんが言ってた。
画面に向けて繰り出されそうになる怒りの鉄拳を制し、もう一度イチから操作をやり直します。
おろせません
クソがっ!!!
バァンっ!!!
以降何度トライしても同じ返答を繰り返すATM。
拝啓、おばぁちゃん。どうやら僕はやってもできない子みたいです。
役立たずのこの機械を土に還す準備に取り掛かろうとしているところに警備員がやってきて『何をしているんだ』と怪しまれるまでATMとの無益なやり取りは続きました。
どうなっとんじゃっ!!!
初めての海外一人旅。
誰もが通る、【現地通貨をゲットする】という始まりの通過儀礼。
やはり簡単には行かぬ、、、か、、、
ま、いいでしょう。
、、、よくねぇ、、、
純度の高い殺意が芽生えましたが、他にも現地通貨をゲットする手立てはあります。
不本意ではありますが、持参した日本円を換金所でタイの通貨であるバーツに換金することにしましょう。
そして両替所にてゲットしたバーツ。
ボッタクられている感がぬぐいきれません。
日本人ちょろいから仕事が楽だわ〜
奴らの目がそう言っています。
笑ってんじゃねぇクソが。
なにわともあれお金をゲットしたことで本格的にお散歩を開始する準備が整いました。
いつまでも空港にいても仕方がないので市街地に参りましょう。
タイでのネット環境を有効化させるためにSIMカードを購入し、持ってきたwi-fiルーターにぶち込みます。
※海外行ったらこれ必須。SIMフリーのスマホ or wi-fiルーターにぶち込むだけ。海外行くたびに某貸出wi-fiルーター業者に数千円払ってる方、どこの国でも数百円〜2000円くらいで買えるのでお試しあれ。
目指すは世界中のバックパッカーが集うという、かの有名なカオサン通り。
記念すべき初夜の宿もそこにとっています。
空港の外に出てカオサン通りに向かうバスを探します。
そこで待っていたのは聞きなれぬ呪文。
四方から繰り出される無数の手招き。
ミストサウナと間違わんばかりの高温多湿。
待ち受けていたシンプルな恐怖体験。
いぃやああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
異国の地にはびこる悪意の隙間を宮城リョータばりの華麗な身のこなしでかいくぐり、なんとかカオサン通り行きのバス(おそらく)に乗り込むことに成功します。
バスの乗車料金回収係もちゃんと何を言っているかわかりません。
『かおさん!かおさん!』と連呼しながら、偉そうなおっさんが書かれた100バーツ紙幣をひらひら。
すると”奪う”という言葉がぴったりの手捌きで僕の100バーツを奪って行きました。そして渡される乗車券と思しき紙。そして去っていく回収係。
おつり、、、
バス乗り場にデカデカと”50"って数字書いてあったけど、あれって絶対"乗車料50バーツ"って意味だよね、、、
おつり返して、、、
旅人レベル1の僕に容赦無く襲い掛かるタイ。
なんてところに来ちまったんだ、、、
頭を抱えひとしきり後悔の念に駆られます。
ただそれと同時に、バスのガラス越しを流れ行く異国の景色に日本ではないどこかにいる一人でいる高揚感を感じずにはいられません。
オレ、辛いの食べれないだよなぁ、、、
辛い料理が目白押しのタイ王国の食事情に恐怖し、じんわりとうすら汗をかく僕を乗せ、バスはカオサン通りを目指し(おそらく)東南アジアの焼けたコンクリートの上を駆けていきます。
〜数十分後〜
なんとなくそれらしき場所に着きました。
健康な小学2年生ほどの重さを有したバッグパックを抱えバスを降り、旅先の空気を胸いっぱいに吸い込みます。
くさっ。
iphone内蔵のマップで現在地を調べてみると、どうやらカオサン通りはもう少し足を伸ばしたところにあるようです。
『普通にカオサン通りの目の前で降ろせやクソが』とチラリと思いましたが、融通はききません。というか全ての言葉が聞き取れません。
放たれた異国の地をそれとなく歩いていると、見慣れぬ乗り物に乗った見るからに良心を欠いたツラをしたジジイが声をかけてきました。
ネットで散々目にした噂のトゥクトゥク※です。
※日本一周編(沖縄)の一コマです。
トゥクトゥク ;タイにおけるタクシーの一種である。
地域によっては乗り合いのタクシーの趣きもある。
東南アジアでの移動手段は多々ございますが短距離の移動とあらば、このトゥクトゥクなる乗り物を使って移動するのが基本となるそうな。
以後、幾度となくお世話になることになります。
初めてのトゥクトゥク使いとの遭遇とあってこちとら心臓バックバク。
H~i.Where you going?
え?うぇ?うぇあ?え?
HA?
日本語話せよ,,,
さらに追い討ちをかけるように発せられる謎の言語。もとい呪文。
何を話しているのかはさっぱり理解できませんが、ジジイの良心を欠いた両の瞳が物語っています。
金をよこせJAP
そう。こいつらにとって私たち日本人とは平和ボケしたカモそのもの。
カモがネギ背負って鍋持って、これまたご丁寧に調味料の類までカバンにパンパンに詰め込んで歩いてきたのと同等の存在なのです(妄想)
私たちが東南アジアに出向くということは、つまりそういうことなのです(妄想)
今夜ジジイが目を付けたのは、世界を知らない日本産バカ一名でございます。
ドキドキしながらそれとなく伝えてみます。
え〜、あいうぉんとぅーごーカオサン
Ok !! come on !!
あー、うん。ここに乗れば良いのかな?
どうやらカオサン通りまで運んでくれるみたいなのでいそいそと後部座席に乗り込もうとします。
イソイソ,,,
( ゚д゚)ハッ!
そういえば値段聞いてないや,,,
【トゥクトゥクやタクシーに乗る際には、必ず乗車前に料金の確認と交渉を済ませておくこと。日本のタクシーと違いメーター式が少ないため、交渉せずに乗ると相場の数倍の料金を請求されます。相場がわからない際は、言われた金額の半額くらいからスタート。交渉のポイントは、曖昧にせずはっきりと決めること。あとで揉めます。】
以前ネットを見ていた時にこんなことが書いてあったような気がします。ふぅ、危ない危ない。危うく調理開始されるところだったぜ。
ねぇねぇ。はうまっち?
HA ? 200THB(約700円)
200バーツ?えーっと、レートは確か1バーツ3.5円だから,,,700円か,,,
700円っ!!!
相場がどんなもんだかはわかりませんがこれは明らかに吹っかけられている様子。
東京の初乗りより高ぇ。
ここはネットで見聞きした浅い知識をもとに半額から交渉を初めて様子を見ることにします。
おいジジイ。日本人をナメるなよ。ここは半額の100バーツだ。ドヤァ
OKOK.100THB.OK
あとで知ったことですが、タイのトゥクトゥクの相場料金は以下の通りらしいです。
徒歩で10分位の距離 - 約30~40バーツ
徒歩で20分位の距離 - 約40~50バーツ
徒歩で30分位の距離 - 約50~70バーツ
それ以上の距離 - 約70バーツ以上
見事にぼったくられていることとはつゆ知らず、初交渉で半額まで値切ることに成功したぜと得意げなアホヅラで颯爽と初トゥクトゥクに乗り込みます。
まさにカモ。
クソが。
向かう先は今度こそカオサン通り(おそらく)
よぉし!行けい!
ネギを背負いしカモを乗せ、トゥクトゥクは走り出しました。
〜数分後〜
早速着きました。別にめっちゃ近かった。
ジジイに金を払って礼を言い降車(ぼったくられてる)
いやぁ日本人相手は仕事が楽でいいわぁ
ジジイが別れ際に放った謎の一言は、きっとこんな意味だったのでしょう。
笑ってんじゃねぇクソが。
それにしても高温多湿なタイの地を風切り走るのは気持ちのいいものです(ぼったくられてるけど)
タイにお越しの際はぜひトゥクトゥクに乗ってぼったくられてみてください。
おなじみの通過儀礼を経てやっと辿り着いたタイ最大の都市バンコク中心部。タイと言ったらここは外せない、言わずと知れたド定番観光スポットカオサン通り。
見渡す限り人人人。ひしめき合う大量のネオンに彩られた店店店。
白人黒人アジア人様々な人種が入り乱れ活気付く街並み。
画面越しでしか見たことがなかった世界が目の前に広がっていることに感動。
感動もつかの間、カバンが重すぎて肩が取れていることに気づきます。
なで肩の向こう側に行く前にカバンを下ろさないと、、、
ひとまずiphoneの地図を頼りに予約していたゲストハウスを目指します。
なで肩までのカウントダウンが始まった頃にたどり着いた建物。
写真は、ない。
なぜか食事もしていない隣のレストランの写真を撮る無能。
初のゲストハウスチェックインは予約画面をチラつかせ無事通過。
『OK? OK?』と何か大切なことを確認されたような気がしましたが、僕にできることと言えば『OK! OK!』と感情を失った赤べこのように頷くだけ。
通された部屋はベッドが置いてあるだけの独居房。
お情け程度に置かれた小さなランプ。しかも白。まさにTHE安宿と言った感じ。
月明かりが眩しいぜ。
与えられた独居房で相棒を降ろし、ちょいと一息。
なで肩でお楽しみの夜の街に繰り出します。
と、その前に汗を流しにシャワールームへ。
東南アジアの風呂事情をチェックしに行きましょう。
あいうぉんとしゃわー!あいうぉんとすっきぃり!
部屋を出たところにいたスタッフに『僕は今すぐシャワーを浴びてスッキリしたいんだ』という旨を英語で伝えると『OK ! OK !』と連れて行かれた先はトイレ。個室がたくさん並んだトイレ。この感じは間違いなくトイレ。
日本人はウォシュレットで充分だろってか?と、案内してくれたスタッフのほうを振り返るとすでに彼女の姿はそこになく、異国の便所前で一人佇む日本人の構図が出来上がりました。
仕方ねぇ、、、とりあえず、、、浴びるか、、、
渋々ドアを開けると、やっぱり便器。
ほらな。となで肩を落とし上の方に目をやるとそこにはシャワーヘッド。
ふむ。ユニットバスをギュッ!!としたタイプね。
見ようによっちゃウォシュレット。
設置されてる場所的にもウォシュレット。
得られる効果もウォシュレット。
すべてを受け入れ、便所シャワー、もとい上から降ってくるウォシュレットで身体を洗い流します。
きれいになった便器を横目に、悲しみの表情で体を拭きあげます。
排水口に幾らかの尊厳を流し込む作業を終えた後は、いざ夜の街へ。
ニギニギ,,,ニギニギ,,,
すっかり日も落ち、更に賑わいが増したカオサン通り。
通りでは屋台らしきお店が点在し、得体のしれない品々がテーブルの上にぶちまけられています(個人の見解です)
並べられている品々は、時に麺、時に飲み物、時にタランチュラなどなど多種多様なローカルフードたち。
奇食ハンターへの憧れを胸に秘めた僕は、カラッと上がった巨大虫フライを素通りし、隣の屋台でタイ人が汗だくで作っていた30バーツ(約105円)の焼きそばらしき何かを購入させていただきました。ひとりで虫喰っても湧き上がる感情は悲壮感オンリーだからね。うん。
そしてそれらを手に近くにあった適当なテーブルで食事を始めようとしたところ、店員らしきタイ人(女)が奇声を発しながら近づいてきました。
民族舞踊を思わせる奇怪な動き。手にはメニュー。戸惑う僕。
身振り手振り(というかこれはもはや舞踊ですが)から察するに、どうやら何かをオーダーしないとこのテーブルを使う権利は与えられないよう。
なるほどそれがお前らのやり方か。
喉も乾いていたことだし瓶ビールを注文します。
え〜っと、じゃぁ、びーる!びーるぷりーず!
O~K~♡
間抜けづらの日本人から小銭をせしめることに成功したタイ人(女)は満面の笑顔で去って行きました。
この国では金で全てが解決しそうな気がします。
運ばれてきたビール。そして記念すべき海外1食目の焼きそばらしき何か。
いただきます。隣の屋台の虫さんたちよ安らかに。R.I.P芳賀さん(遊戯王参照)
肝心の味はというとTHE普通。感動もへったくれもありません。
ビールは世界共通でうまいですな。うん。世界を知らんけど。
立て続けにビールを3本しばきお散歩を再開します。
〜10分後〜
気付いたら知らないタイ人(女?)に足を揉みしだかれていました。
どうやらほろ酔いの僕はうまいこと(まんまと)マッサージ屋に吸い込まれていったようです。
請求額は200バーツ(約750円)激安の激。
無意識レベルの快楽主義は海を超えても健在のようです。
本場のタイ式マッサージでバキバキにされた後は、喧騒の街並みに順序よく流されて行きます。
興味本位で怪しい路地を曲がったところ、見たらわかるタイプのおかまに執拗に付きまとわれ命の危険を感じたので走って先ほどの独居房に帰ってきました。
ベッドに腰掛けバクバクする胸に手を当てながら壁を見つめ、冷静に考えました。
謎の言語。便所式シャワー。おかま。ぼったくり。虫。
ひょっとして、、、JAPANでの豊かな暮らしを自ら捨てた僕の脳みそのハードディスクは1バイトくらいしかないのでしょうか、、、
工場出荷状態からやり直したいものです、、、
もうここから先は"慣れ"頼み。
それでもきっと一週間後には、現地の言葉を巧みに使いこなし、足のつぼを押すモノもしくは日本人観光客相手にフリスクを砕いた白い粉を売りつけるものにでもなっていることでしょう。
そして現地時間AM2:00。初日。
記念すべきお散歩初夜はこうして更けていくのでした。
次回【それ、騙されてんで】タイ,バンコク編
ほいじゃ(`・ω・´)